大航海時代オンライン

スミオーガン伯の記録

 目が覚めると見知らぬ建物の中にいた。先刻までどこにいたのかも思い出せぬ。混沌の力でも働いておるのか?
 人は皆、小奇麗な身なりをしており、何あら忙しく走り回っている。言葉がわかるのはありがたい。奥のカウンターに貫禄ある男がいるので話し掛けてみた。初対面であるにもかかわらず、新入りならギルドに加盟せよと言う。見知らぬ者の素性を訝しる事もないとは、どういう世界なのだ。 もしやここがタネローンと言うところなのか。しかしタネローンは永遠の安息を得られる場所と聞く。だが、ここは仕事を、金を求めて人が集う場所のようだ。だが、少しの食料を争って命のやり取りをするような世界ではないらしい。それに聞こえる話によれば船を使った交易が盛んなようだ。はっ、ならば紫の街の海王と呼ばれたわしにはうってつけではないか。旅するうちに元の世界に戻れるやも知れぬし、ギルドに入ることにした。入るだけで金をくれるとは、なんと言う気前のよさか。注意したほうがいいかもしれぬ。
 早速仕事だ。人が一番集まっている中に、斡旋してくれるものがいた。だが、仕事というには程遠い事を言いつけられた。新入りならば、街の名士に挨拶をしてこいという。それだけで金をくれるというのはとても信じられぬ。だが、名士に名を覚えてもらって困ることはあるまい。見知らぬ土地で人脈を作ることの難しさはよく理解しているつもりだ。
 早速外に出てまた驚いた。なんと町の綺麗な事か。建物の装飾などは質素だが、道端で貧しい者が倒れていることもない。このような街は聞いたことがない。もしかすると東方の見知らぬ土地に流れ着いたのか。だが、もしそうだとしてもいきなり建物の中にいたというのはおかしな話だ。やはり何らかの魔法の力が働いているのだろう。
 魔法ならばどうする事もできぬので、素直に挨拶に向かう事にする。豪勢な城があったが、身なりを整えて濃いといわれ追い返されてしまった。ボロ布を纏っていた事を考えると十分すぎるほど綺麗だと思うのだがな。結局、3人に挨拶をして戻った。
 さらに一つ子供の使い――酒場に行って親父にこの街のことを聞いてこいというものだった――を済ませ、、リスボンなる場所に向かえと言われる。しかし、リスボンがどこなのか解らぬ。どうやら船で行かねばならぬ場所のようだ。さて、船はどうやって手に入れればよいものか。ここは一つ密航でもすべきかと思いつつ、波止場に向かう。港に停泊している船を管理しているらしき男に話し掛け、リスボンとやらに向かう船を捜そうとした所、わしの名前を知っておるではないか。しかもわしには船があると言う。ますますもって魔法の匂いがする。混沌の神々の中には我ら人をからかって遊ぶものもいると聞く。だが、そうなるとわしには抗う術はない。ここは一つやつらの遊びにのってやろうではないか。
 船はそれほど大きくはないが、あまり見たことのない形だ。しかし、そう扱い方が変わるものでもなかろう。5人の船員がわしの事をだんなと呼んだが、もう驚く事もない。船の状態を聞き、いつでも出港できるというので商売になりそうななものを仕入れてきた。まずは酒だ。酒はどこでも売れる。見たこともない酒ならばなおさらだ。
 しかし、つくづくわしは海でしか生きられぬ男なのだろう、と思わされた。どのような魔法がかかっているやも知れぬ海だというのに、揺れる甲板に上がった途端に心が躍りだすではないか。
 そうだ。こここそがわしの生きる場所であり、わしの全てなのだ。
 行こうではないか、わしが生きていける場所へ。そしてこの世を巡り、紫の街に戻る術を見つけ出そう。

プレイしてみて

 ということで、プレオープンの大航海時代オンラインをやってみたわけだ。
このゲームの凄いところは、能力値と言うものが存在しない。STRやDEXといったアレだ。変わりにさまざまなスキルが存在する。このスキルは使うことで熟練度が増す。また、職業によってもてるものが違っており、さまざまな職業のPCと組むことで、お互いを助ける形を取るらしい。らしいと言うのは、まだ組んだことがないから。だってトータル10時間ちょっとしかプレイしてないし。
職業はギルドごとに就けるものが違っていて、条件さえ満たせば(スキルのLVなど?)転職は自由なようだ。そのギルドは海軍、承認、冒険者の3つ。違うギルドに移るには推薦状があれば可能なようだが、どうすればもらえるのかなどは不明。
 LVは一応存在する。冒険LV、交易LV、戦闘LVがあり、それぞれのギルドから受けるクエストやそれらに関係する行動をすればEXPが入り、一定値になるとLVアップする。こればギルド関係なしで上がる。また、それぞれに対応する名声というパラメータもあり、3うの名声及び装飾品の修正値を足した総合名声によって貴族や王族に相手をしてもらえるようになっている。ちなみに相続品、小さな船より高いです。
 基本的には町では商売やクエスト発生、アイテム入手などがあるのだが、凄いのが時間と言うものが存在しない。どれだけ動き回っても昼のまま。夜の酒場で大騒ぎとかできない模様。
 そしてメインの活動場所となる海。これが凄い凄い。セルビアから出た途端、海を埋め尽くさんばかりの船。まだ港の中なのかと思ったくらいだったよ。そしてこっちでは猛烈な勢いで一日が進む。出たとき夜だったのだが、何か飛んでるなぁ、と思ったらなんとソレは月だった。これが凄い勢いで上っていく。そしてアッと今に沈んでいく。それは太陽も同じ。多分、海での一日ってリアル時間で5分かもう少しくらいじゃないかな?とにかく豪快だった。
 海では海賊に襲われたりして戦闘が始まるのだが、そうなると対戦相手と自分(及び仲間)の船以外は見えなくなり、ある程度の広さを持ったエリアが設定されて海戦となる。大砲で撃つのも白兵戦に持ち込むのもOK。フィールドの外に出て逃走するのもOK。ただ、スミオーガン伯はうっかり冒険者ギルドに入ってしまったので、戦闘スキルがない状態。もう、ひたすら逃げ回ってました。ちょっと後悔。
 基本的に街にしか停泊できないが、所々上陸地点があるようで、そこから陸に上がって探検する事も可能。北アフリカの一部に見つけて上陸したが、いきなり傭兵崩れみたいなのに襲われて戦闘開始。剣のスキルがなかったもんであっさり敗北。所持金の2割近くと手袋を奪われてしまった。ただ、復帰場所は上陸地点。開戦で負けた時どうなるのか気になるところ。
 また、町はどこでも上陸できるわけではなく、対立国や上陸許可書のない場所はむり。これらは名声や装備で貴族などに取り入って出してもらえる模様。
 相場などはPCが多いとかなり頻繁に変わる。しかし、加工材料などはバザーで大もうけできそうな気配。情報がないからさっぱりだったけどな。その他の高価な品物、極端に言えば船なども、スキルで作ることができ、バザーや直接交渉で入手できる。ここらはMMOとして楽しめそうな所かも。 
 しかし、ひたすら船で走り回る事になるのはかなり辛い。セルビアジェノバを補給しながら進んで一時間くらい。もしジパングに向かう事になる場合、どうなるのか。一日では無理なんじゃないかなぁ。まぁ、ジパングまでMAPがあるのかどうか不明だけど。ともかく、かなり時間に余裕のある人にしか向いてないゲームっぽい。
 でも、このゲームで大喜びしたところが一つある。PCのキャラメイクでデブが選べるのだ。今まで筋肉質は存在しても、明らかな肥満体型ってのは存在しなかっただけにかなり大きい。ゲーム自体も楽しそうではあるのだが、やはりかなり時間が必要とされるのはちょっと厳しいところ。すでに船で走り回るのにも飽き始めたりしているので、正式オープンしても遊ぶかどうかはかなり微妙だ。まぁ、もうちょっとだけ遊んでみるかな。